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2025年3月掲載

当期(2024年12月期)の事業環境・業績について教えてください。

在庫調整の影響もありましたが、売上高は4期連続で過去最高となりました。

代表執行役社長 横山 毅

2024年の半導体市場は、生成AIブームによりAI関連の需要が急拡大しました。また、世界各地で半導体工場の新設が進み、日本国内でも世界最大のファウンドリ企業の進出や、各半導体メーカーの能力増強が進行し、前工程の生産能力が拡大しました。

こうした環境の中、当社グループは前工程の生産能力拡大の受け皿として、九州事業所とTPWの両拠点でクリーンルームの増床を実施しました。

業績面では、売上高が371億800万円(前期比4.8%増)と、過去最高を達成。車載向け半導体の受託量が下期に在庫調整の影響を受けたものの、通期では前年を上回ったこと、サーバー用CPU・GPUは在庫調整の影響を受けながらも、前期比横ばいで推移したことが要因です。

一方で、営業利益は69億4,900万円(前期比3.3%減)と減少。先端テスタへの新規投資により減価償却費が増加し、その分の売上高は拡大したものの、既存テスタの稼働低迷が影響しました。 今後は既存テスタの稼働率の改善と、新規の先端テスタをしっかりと稼働させることが課題と考えています。

※TPW=当社子会社 TeraPower Technology Inc.(所在:台湾)

半導体市場の展望について教えてください。

日本政府の支援もあり、今後も継続的な成長が見込まれます。

半導体市場は、地政学的リスクを背景とした世界的なサプライチェーンの再構築、AI技術の急速な普及、自動運転技術の進展による需要拡大などを受け、今後も継続的な成長が期待されています。特にAI関連の需要が市場を牽引すると見られています。

国内半導体市場も、政府の積極的な支援を受けながらさらなる成長が見込まれており、生産能力の強化が進んでいます。上述したファウンドリ企業の第1工場が2024年末から量産を開始しており、第2工場の建設も進行中で、2027年末までの稼働開始が予定されているなど、今後も日本の半導体生産基盤のさらなる発展が期待されています。

2025年12月期の見通しを教えてください。

創立20周年となる今期は「飛躍の年」と位置づけ、 成長を加速させたいと考えています。

これまで述べてきたとおり、AI関連の半導体需要は急速に拡大していますので、当社グループも、この需要を積極的に取り込んでいきます。実際、2025年においては、車載分野の在庫調整の回復時期は不透明であるものの、サーバー向け製品およびAI関連製品は受託量の増加を見込んでいます。 当社グループの売上高の約半分を占める車載分野を収益の基盤としつつ、AI関連のビジネスを着実に獲得することで、業績のさらなる成長を目指します。加えて、日本国内における半導体生産能力の拡大に伴う半導体テストのビジネス機会も確実に捉えていきます。

ビジネスの拡大と並行して、生産性と品質の向上にも注力します。 当社グループ全体で、保有設備を有効活用し最適化するとともに、TPWが先行する工場へのAI導入や自動化といった先端生産技術を九州事業所へ水平展開し、オペレーションの効率化を推進します。

2025年を「飛躍の年」とするため、これらの取り組みを強化してまいります。

株主の皆様に向けてメッセージ

 株主の皆様の日頃のご支援・ご厚情に、心よりお礼申し上げます。
 2024年12月期より、当社では、配当方針を連結当期純利益基準に変更いたしました。今後は、より一層、グループ全体での企業価値の向上と持続的な成長を目指してまいりますので、引き続き変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。

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